ミクロ経済学を学ぶ前に#
ミクロ経済学は(異論はあるかもしれないが)大雑把には次のことをやる学問である.(1)社会の模型(モデルという)を作って(2)人々がどのように動くのかをシミュレーションする.(3)シミュレーション結果が現実と近いかどうかを判定する.(4)その人が幸福かどうかを一定の基準に基づいて判断する.これによって現実に起きる社会の問題を分析し,改善案を提示したり,現状が良い状態かどうかを評価する.特にミクロ経済学では,個々人の行動がどのように決まるのかに注目し,その行動がどう社会を動かすのかを分析する.
以降では「モデルとは何か」,と「どのような分析が妥当か」,およびミクロ経済学の基本となる「意思決定の理論」の初歩について説明する.